新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークを推進する方針が政府から示されている。このテレワークの中でも、屋外の施設で仕事と休暇を兼ねた「ワーケーション(work + vacation)」が注目されている。
実際に環境省は、7日に閣議決定された今年度の補正予算に、国立・国定公園や温泉地におけるワーケーション推進に向けた費用6億円を盛り込んだ。新型コロナウイルスの流行拡大を受け、感染リスクの少ない自然の中でクリエイティブに仕事ができる場として国立・国定公園、温泉地の新たな魅力を打ち出す必要があると指摘。加えて、大自然を有する国立公園等による心身のリフレッシュはもちろん、自粛により外遊びを控えていた子供達に国立公園等が『遊び場』としてアクティビティの提供が可能であることを発信し、社会の閉塞感の解消、旅行者増につなげ、地域経済を再生させるとした。
取り組みは、コロナの収束前と収束後に分けて実施する予定だ。まずは34ヵ所の国立公園などにある約300のキャンプ場において、収束後は全国80ヵ所の国民保養温泉地の旅館なども併せてワーケーションを展開していく。
具体的には、ツアーの企画や実施に必要な準備・広報などに関わる人件費、運営費、レンタル費、諸経費などを補助する。対象となる施設は、国立・国定公園、国民保養温泉地のキャンプ場・旅館・ホテルといった事業者、DMO(観光地域づくり法人)、地域協議会など。設定された上限金額は300万円だ。
さらに、ワーケーションで必要なWi‐Fiなどの環境整備も進める。対象は前述の事業と同様で、事業費の2分の1(ただし、公園事業者及び公共施設の管理受託者等は3分の2)が補助される。ほかにも、子供向けプログラムの企画・実施費用やPRの費用を支援したりもする。
環境省は、こうした事業を進めることにより、コロナ収束前の誘客による地域経済の下支え、ワーケーションを通じた平日の観光地の活性化を目指す考えだ。