「今は戦時下である」欧米の各国首脳が口を揃える。
目に見えない敵、新型コロナウイルスと人類は戦っている。そして世界各国は今、鎖国状態である。
つい数か月前、誰もがこの様な惨状を予想も出来なかった。
中国武漢での新型肺炎の発生のニュースに対して当時欧米各国は、遠いアジアでの出来事であるとの認識から感染防止の初動体制の遅れを招いた。
一方、我が国では国を挙げてのインバウンド政策に伴い、年末年始あるいは春節を跨いで、数多くの中国人・武漢市民が日本各地を訪れていた。
その結果、グローバル化が進んだ今日、新型コロナウイルスは瞬く間に世界各国に感染拡大することになってしまった。
3月28日現在、米国ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、感染者65万人を超え、感染による死亡者が3万人を超えた。依然としてパンデミックは収まるどころか、勢いを増している。この先、ウイルスはアフリカやアジア、南米など医療設備が十分でない地域を標的に、更なる感染拡大が危惧され、結果、想像を超える死者数の増加が現実味を帯びている。
我が国では、感染防止のために、外出自粛や各種イベントの中止、延期の措置がとられているなかで、東京2020オリンピック・パラリンピックの延期決定は関係各方面に大きな衝撃を与えることになった。
ところで、そのような状況下で開催された大相撲、無観客試合で行われた大相撲春場所にはある意味で感動した。
無事に千秋楽を迎えることが出来た相撲協会の運営に敬意を表すとともに、多くの感動を与えてくれたことに感謝申し上げたい。
無観客で場内が静まり返るなか、初日、土俵際に協会役員、力士が勢揃いし、八角理事長の「力士のしこは、邪悪なものを封じ込めるものである」との挨拶、また千秋楽では八角理事長の感極まった挨拶、さらには、力士同士のぶつかり合う音・息遣い・呼び出し・行事の声等々。静寂のなかで執り行われた力士達の神技も。
この鬱々としたなかで、どれもが新鮮で心に響き、新たな感動を覚えた。
しかし、この様な感動は今回だけで沢山である。やはり満員の観客と多くの歓声が欠かせない。
とにかく、一日も早く、私たちがこの目に見えない敵・新型コロナウイルスに打ち勝ち、
その証として、世界中のアスリートの参加による東京オリンピック・パラリンピックの開催や多くのイベントやスポーツ競技が正常に開催できる日の到来を念じて止みません。