東大発のベンチャーで人工知能を用いたサービスなどを提供する日本データサイエンス研究所が、IoTに注力する合同会社ネコリコや東大と共同で新たな実証実験を始める。家庭の電力データやAIを用い、高齢者のフレイルを速やかに検知する仕組みの確立を目指すという。
来年度の1年間、三重県東員町で約30の単身高齢者世帯に協力してもらう計画。通信機能付きの電力量計「スマートメーター」や各種センサーなどを設置し、AIで解析するデータを集めていくとしている。
フレイルの早期発見は介護予防、重度化防止の観点から非常に重要だ。地域では既に様々な試みが展開されているが、高齢化や「お1人さま」の増加、つながりの希薄化などが急速に進んでいく中で、対策が十分に行き届いているとは必ずしも言えない。
実証実験を行う3者は、スマートメーターやセンサー、AIなどを活用した見守りの研究開発を昨年4月から行ってきた。特に、収集したデータから1人暮らしの高齢者のフレイルを見つける技術の検討を進めてきたという。
3者は「共同実証を通じてこの技術の社会実装を目指す」と説明。「漏れのないフレイルの早期発見を実現し、地域が抱える介護予防の課題解決を支援する」としている。