求人情報メディアや人事紹介サービスなどを運営するエンジャパンは22日、社内禁煙に関する調査結果を公表した。現在、約7割の企業が取り組みを行う反面、約3割は手つかずなことが明らかになっている。
調査は今年の9月11日から10月10日にかけて、インターネットを通じて実施。エンジャパンのサービスを利用する517社から有効な回答を得た。
企業での喫煙をめぐっては、昨年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立。今年7月から段階に施行され、2020年の全面施行により、「原則屋内禁煙」や「20歳未満は喫煙室へ立入り禁止」などが企業にも義務付けられる。
この改正健康増進法の認知度を質問したところ、「内容も含めて知っている」と答えた企業は28%、「概要だけ知っている」は39%、「知らない」は33%だった。「現在、社内の禁煙に取り組んでいるか」を尋ねたところ、全体の68%が「取り組んでいる」と回答し、28%が「取り組んでいない」と答えた。取り組んでいる企業を社員数で分けると50人未満(64%)、100人未満(71%)、300人未満(63%)だったのに比べ、1000人未満(76%)や1000人以上(78%)といった規模の大きい企業は割合が高い傾向にあった。業種別では、「メーカー」の80%が最高で、サービス関連の77%、商社の68%が続いた。一方、「流通・小売関連」は51%で最も低く、「IT・情報処理・インターネット関連」の60%、「不動産・建築関連」の65%も低かった。
■「社員の健康を守るため」がトップ
「社内禁煙に取り組んでいる」と回答した企業に取り組む理由を伺うと、第1位は「社員の健康を守るため」(63%)だった。次いで、「社員から苦情・要望があったため」(31%)、「働きやすい職場にするため」(22%)、「世の中の流れを感じたため」(22%)という順になっている。具体的な取り組みでは、「就業時間中(お昼休みを除く)の禁煙」(34%)がトップ。取り組みの効果については、「職場内がきれいになった」(38%)や「喫煙者が減った(禁煙する社員が増えた)」(33%)が多いものの、「特に変化はない」(26%)も3番目に多く、未だにメリットを感じていない企業が一定数あることもわかった。逆に「社内の禁煙に取り組んでいない」と回答した企業に理由をきいたところ、上位3つは「経営者や経営層が喫煙者」(36%)、「喫煙者の理解が得られない」(29%)、「必要性を感じない」(25%)だった。