鳥取県米子市の永江地区で、地域の住民らが車を共有する「コミュニティカーシェアリング」の取り組みが今月からスタートした。「永江ささえ愛カーシェアクラブ」と呼ばれている。
永江地区はもともと新興住宅地として整備されたが、高齢化の進展とともに人口が減少。2000年には地域内の食料品店などが営業をやめてしまい、多くの「買い物難民」を抱えている。外出や通院などのニーズの高まりも踏まえ、移動手段をいかに確保していくか検討されてきた。
新たなカーシェアクラブでは、日本カーシェアリング協会からリースした車両を登録会員どうしで共有。ボランティアによる運転や相乗りなどで効率的に活用していく。
利用者からは車両を使うごとに積立金を徴収。最終的にかかった経費実費は利用頻度などに応じて平等に分配する。鳥取県によると10月24日現在で会員数は38人。
永江地区では今年の8月末から、鳥取県と日本財団の共同プロジェクトでコミュニティカーシェアの試験運用が行われてきた。多くの住民から参加希望の声が寄せられ、取り組みの継続性に一定の目処がついたと判断。今回の本格始動に至ったという。
鳥取県は「シェアリングエコノミーの推進を図りつつ、地域コミュニティの活性化を目指していく」としている。