電動車いすの開発・販売を手掛けるWHILLは17日、羽田空港で来月2日、3日に自動運転パーソナルモビリティの試験走行を実施すると発表した。
羽田空港の管理運営を担う日本空港ビルデングやJALとともに試す。一般客にも使ってもらう実践運用はこれが初めてだ。
今回使用されるのは、WHILLが今年1月に発表した「WHILL自動運転モデル」。車いすの利用を希望するJALグループ便の搭乗客などを対象とする。
利用者はコンコースでWHILLに乗り、飛行機の搭乗口まで自ら操作。乗客を降ろしたWHILLは、貸し出し地点まで無人かつ自動で戻ってくる。こうした流れをテストする計画だ。
搭載された自動運転システムは、複数のセンサーで周囲の状況を検知して機能する。あらかじめインプットした地図情報とセンサーの情報を照らし合わせ、安全に自律的な走行を行える設計になっているという。
高齢化が課題となっているのは航空業界も同じだ。車いすのニーズが以前より増え、広い空港内でその介助・回収にあたるコストが年々膨らんでいる。マンパワーも足りない。WHILLは利用者がストレスフリーに移動できる環境を提供しつつ、こうした課題の解消も図りたいとしている。
WHILLは2020年度中にも、空港内モビリティの商業化・実用化を実現したい考え。今回の羽田空港を皮切りに、アムステルダムのスキポール空港、ダラスのフォートワース国際空港、アブダビ国際空港などでも実証実験を行うという。空港だけにとどまらず、ショッピングモールや駅などでの活用も視野に入れている。