国土交通省はこのほど、自転車活用推進法に基づき、自転車を通じて優れた観光資源を有機的に連携するサイクルツーリズムの推進によって、日本での新たな観光価値を創造し、地域の創生を図るため、同省の自転車活用推進本部でナショナルサイクルルート制度を創設した。また、第1次ナショナルサイクルルート候補として、「つくば霞ケ浦りんりんロード(茨城県)」、「ビワイチ(滋賀県)」と「しまなみ海道サイクリングロード(広島県、愛媛県)」を選定した。
この制度は、優れた観光資源を有機的に連携したサイクルツーリズムの推進により、日本での新たな観光価値を創造し、地域の創生を図るため、一定の水準を満たすルートを対象に「ナショナルサイクルルート」に指定するもの。ルートでの取組の継続性を評価する必要があることから、新たなルートの指定の有無の確認は、国の自転車活用推進計画期間内に1回とし、3~5年ごとに実施する。
ナショナルサイクルルートの指定要件は、「ルート設定」、「走行環境」、「受入環境」、「情報発信」と「取組体制」の5つの観点から設定している。
候補ルートに選ばれた「つくば霞ケ浦りんりんロード」では、サイクリングを核に筑波山や霞ケ浦などの豊かな地域資源を結び付け、東京圏からの優れたアクセス性を活かしながら、誰もが多様にサイクリングを楽しむことができるサイクリング環境を構築している。
快適で安全安心にサイクリングができる環境の整備として、自転車走行空間の整備、ルート案内や注意喚起等のサイン整備を行っている。
また、サイクルツーリズム推進のための取組として、最新スポーツバイクによる広域レンタサイクルシステムの導入、多言語に対応した情報発信、JR駅直結のサイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」の整備などを行っている。
「ビワイチ」では、日本最大の湖「琵琶湖」を一周する「ビワイチ」を中心に、サイクリストから家族連れ、海外旅行者などの多用な来訪者が県内各地を安全に周遊できる環境を構築している。
安全で快適な自転車走行環境の構築のため、路面整備、案内看板の設置を行っている。
また、自転車観光の推進のための取組として、サイクルサポートステーション、レンタサイクル拠点の整備、自転車搭載船の運行(湖上交通の活用)、「ビワイチ」ツアーの造成に向けたトッププロモーション、ファムツアーなどを実施している。
「しまなみ海道サイクリングロード」では、瀬戸内海の島々が織りなす絶景を望む、日本初の海峡を横断する自転車道として、官民一体となり、サイクリング環境向上の取組を継続的に推進し、更なるブランド力の向上を図っている。
快適で安全安心にサイクリングができる環境の整備として、自転車走行環境整備(ルートの明示・案内表示)を行っている。
また、サイクルツーリズム推進のための取組として、地元との協働による休憩スポット・レスキューポイントの整備、自転車を直接持ち込めるサイクルバス、サイクルトレイン、サイクルシップの運行などを行った。