小学校5・6年生で英語を〝教科〟として教えることに自信がある教諭は約3割―。英会話教室を運営する(株)イーオンが現職小学校教員を対象に実施した「小学校の英語教育に関する意識調査」でこうした現状が明らかとなった。新学習指導要領の下、小学校英語の教科化・早期化が来年春スタートすることとなっているが、開始まで1年を切った現在でも、小学校高学年を担当する教諭の7割が自信をもって英語教育に臨めないという。
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イーオンが東京、名古屋、仙台、大阪、広島、福岡の教員270名を対象に行った調査によると、小学校5‐6年生徒で英語を〝教科〟として教えることについて、「自信がある」と答えた教員は2%とわずかで、「やや自信がある」と合わせても約3割という結果となった。反対に「あまり自信がない/不安の方が大きい」との回答が約半数を占めた。
また、英語活動を3‐4年生に前倒しで教えることに関しては、46%が「自信がある」「やや自信がある」と回答。「あまり自信がない」(37%)、「自信がない」(13%)と併せた回答が50%となったことから、こちらはほぼ拮抗する結果となった。
「専科教員」増員は9割弱が好意的
小学校英語教育改革に伴い、文部科学省が今後学級担任を持たずに英語のみを教える『専任教員』の増員を進めていく考えを示していることに関しては、過半数となる55%が「とても良いと思う」と回答。「どちらかといえばいいと思う」と併せると88%がおおむね方針に対して好意的な意見を持っていることが明らかとなった。
イーオンが7月に実施した全国の小学生の保護者を対象とした意識調査でも、同様の質問を保護者にしたところ、「とてもよいと思う」「どちらかといえばいいと思う」合わせて78.6%だったことから、保護者・教員ともに専任教員の増員には肯定的な姿勢を示していることがわかった。
「準備進んでいる」4割
調査では、新学習指導要領に向けた現在の準備状況に関しても、考えを聞いた。2020年4月にスタートする小学校英語の教科化・早期化に向けて1年を切った今年夏の段階での準備状況を尋ねたところ、「十分に進んでいる」は2%に留まったものの、「十分とは言えないが進んでいる」との回答が40%となり、合わせて42%の小学校教諭が、準備が一定程度進んでいるという認識であった。
一方で、準備状況について「十分ではないが進んでいる」「あまり進んでいるとは言えない」「全く進んでいない」との回答者に、「準備が不十分」「課題がある」と感じている部分について回答したもらったところ、「児童の評価の仕方」が最も多かった。以下、「自身の英語指導力」「自身の英語力」「検定教科書に対する自身の理解・研究」が、どれも高い水準で続いた。
英語力アップの取組の時間 26%が「まったく取れない」
さらに、教諭自身の英語力アップに向けた取組について、どの程度日常的に時間を割けているのか尋ねた。最多は64%の「1日1時間未満」で、26%の「まったく取れない」と合わせて、昨年の調査同様、実に9割が1日1時間も確保できていないことがわかった。週当たりでは「週1‐3時間」が50%と最も多く、「週4時間以上」という回答も12%となった。