サイバーダインは19日、介護現場での利用を想定したロボットスーツの新製品「HAL腰タイプ 介護・自立支援用」を発表した。8月1日から販売を開始する。
介護分野では今まで、職員の腰にかかる負担を軽減するモデルと利用者の身体機能をサポートするモデルの2種類を展開していた。今回、モード切り替え機能の新装によってこれらを1つに統合。ユーザビリティやコスト面の改善を図った。現場からは「1台で両者に使いたい」という声が寄せられていたという。
「二刀流サポート」を実現した新モデルでは、職員の装着の手間を省くことを重視したモードも初めて選べるようになった。
HALはもともと、脳神経系が筋肉へ出す信号を読み取って本人が思う体の動きをサポートするハイテク機器だ。新モードはこの機能を用いない代わりに、姿勢や重心バランスなどの動作情報のAI処理によってアシストを行う。センサーを貼付する必要がないため、着脱の時間を大幅に短縮する効果が得られる。「より多くの場面で気軽に利用できる(サイバーダイン)」という。
このほか、入浴介助などを想定した防塵・防水機能も搭載。使用した場所や時間が把握できるなど、IoTの通信機能も強化が図られた。導入する場合は、厚生労働省の「人材確保等支援助成金」などの補助制度を活用することもできる。
サイバーダインは、「より少ない人数や高齢化した人員による介護を強いられるような『重介護問題』は深刻な社会課題。介護する側、介護される側の双方向からアプローチし、『重介護ゼロ社会』の実現を目指す」としている。