7月4日公示され、21日の投票開票が行われる第25回参議院選挙。現在、改選124議席をかけた17日間の選挙戦が行われている。若者の選挙離れが叫ばれているが、日本財団が実施した18歳から20歳のハイティーンを対象にした意識調査によると、若者の5割近くが投票する考えであることがわかった。投票の際に重視することとしては、「政策」がぶっちぎりのトップで、投票者全体の約6割。一方、「知名度」は1割未満に留まっており、芸能人など知名度のある人物が投票に与える効果は限定的であることが明らかとなった。
ネットの影響力、新聞・テレビ上回る
7月21日の参院選について、「行く」と答えたのは49.7%。「行かない」は15.1%、「決めていない」は35.2%だった。投票すると答えた理由としては「自分の権利なので、しっかり使いたい」といった権利の行使や「一国民としての義務」と選挙権を義務と捉え責任を果たしたいという声が寄せられた。投票しない理由としては、住民票を移していないという手続きの問題や、「受験生なので」といった進路決定の年齢であることがみられた。また、「面倒」「興味がない」といった関心の低さもみられた。
投票の際の候補者選びの基準としては、トップが60.8%の「政策」で、2位の「政党」(19.6%)を大きく引き離した。「知名度」は3位だったが、選んだ割合が6.3%と、さほど投票理由にはならないことが明らかとなった。
候補者や政党を選ぶ際の情報媒体としては、選挙公報が最も多く24.4%。以下、候補者のポスター(16.9%)、インターネットの選挙報道(13.9%)、新聞・テレビの選挙報道(11.7%)と続く。ネットの情報が新聞・テレビを上回った。候補者や政党のホームページやブログ等を情報媒体とした若者も8.7%存在し、テレビ政見放送(6.3%)よりも割合は高かった。
定数、約4割が「減らすべき」
調査では、国会議員の定数に関しても意見を聞いた。衆院465人、参院248人という定数について、38.5%が「減らした方がよい」と答えた。「現状でよい」は29.1%。「増やした方がよい」は4.8%で、27.6%は「わからない」と回答した。
減らした方が良いと若者は、「国会議員を増やしたからと言って、国民の生活がそれほど大きく変わるとは思えず、財政難と借金が増える一方でゆとりはない」といった費用面を理由としてあげた。さらに、「その給与に見合った仕事をしていない人がいる」と適性を問題視する意見も聞かれた。
女性議員の比率についても、アンケートを行った。現在の女性議員の比率は、参院20.7%、衆院10.1%。この数字について、58.5%が「増えた方がいい」と答えた。「国の考え方が男性だけの考え方の社会になってしまうから」「子どもの問題や家庭での問題は主婦だからこそ気付くこともある」など女性目線の意見や政策を求めることが、その理由。男女の平等意識や女性の社会進出に基づいた意見も聞かれ、さらに先進国のなかで女性の割合が低いことを懸念する若者もみられた。「今のままでいい」としたのは15.8%だった。
約6割が「高齢多選は『問題』」
国会議員の高齢多選を「問題」としたのは、57.9%にのぼった。「これからの日本を担うのは若者であり、そういった人の意見をたくさん取り入れていくほうが、これからの日本にとって良い」「次の世代を担う若い人がもっと頑張るべき」といった若者の参画を推進する意見が寄せられた。また、「古い考えにとらわれ過ぎて、現状に合った議決ができない可能性がある」など政治が時代のニーズに合わなくなることへの危惧もみられた。