2019年6月26日 沖縄高専チームに総務大臣賞 高専ワイヤレスIoT技術実証コンテスト

総務省は、「高専ワイヤレスIoT技術実証コンテスト」の審査結果を発表し、5Gを活用した「高速低遅延回線が生み出す沖縄マリンレジャーパトロール」を提案した沖縄高専の学生チーム(Next Generation Marine Ieisure<NGM>)に最優秀賞の総務大臣賞を授与した。

このコンテストは、電波の有効利用を図りつつIoT分野における若手人材の育成や利活用の推進を目的として、全国の高専学生を対象に、5G及びワイヤレスIoTの関連技術を活用して地域課題の解決や新たなサービス創出を図るアイデアを募集。

 

5G活用2件、ワイヤレス IoT活用6件を技術実証

5G活用部門7件、ワイヤレスIoT活用部門14件の計21件の応募について、5G活用部門から2件、ワイヤレスIoT活用部門から6件の計8件を採択し、昨年10月からNTTデータ経営研究所で技術実証を行っていた。

最優秀賞の総務大臣賞を授与された沖縄高専Next Generation Marine Ieisure<NGM>チームの「高速低遅延回線が生み出す沖縄マリンレジャーパトロール」は、5G活用部門で、沖縄でダイビングを楽しむダイバーと陸上にあるダイビングセンターを、5Gを活用した高速回線で接続し、ダイバーからの画像情報を陸上のセンターで画像認識後、必要な情報をダイバーのゴーグルに伝送。ゴーグルにAR画像を表示し、魚の情報や危険を回避するための情報を提供することでダイバーの安全を確保する。

次世代技術賞の豊田高専GENE‐SYSチームの作品も5G活用部門の「どこでも3次元軌道システム」。球技などのスポーツにおける奥行やスピード感を遠隔地から伝達するには、既存のウェブカメラでの平面的な表現や通信速度に依存する遅延など扱いが難しい。3次元情報によるVR技術と5G回線を利用したネットワーク技術により、簡単に3次元的な動きを配信・共有・閲覧できるシステムを構築。スポーツの発展への貢献を目指す。

企業連携賞に選ばれた沖縄高専うちなーブレンドチームの「高高度・高速移動体における高速・大容量通信の検証実験」はワイヤレスIoT活用部門。今後世界の航空旅客輸送が増加する中、東アジアの中心であり、周囲を海に囲まれた沖縄県では、新たに那覇空港内に航空機整備事業を誘致するなど、航空機関連事業の需要も高まっている。これまで大容量の通信環境を提供することが出来なかった航空機に対して、高速・大容量の通信を適用するために、通信状態や電波伝搬の把握、回線設計手法の検証を行う。

 

カラス被害抑制のアイデアも

アイデア賞の木更津高専Crow Projectチームの「カラス被害抑制のためのロボットIoT」もワイヤレスIoT活用部門。カラスとコミュニケーションを図ることで、効果的にカラス被害の抑制を目指す。カラスの剥製翼を用いたドローンの制作・飛行実験を行い、飛行データのリアルタイムで取得し、カラスをだます飛行方法を検討する。

地域貢献賞を受賞した舞鶴高専スマホでつながる駅前イルミネーションチームの「スマホでつながる駅前イルミネーションの実証実験」はワイヤレスIoT活用部門。JR東舞鶴駅では、周辺の観光地化・活性化を目的として、高専生が企画から制作・施工まで実施するイルミネーションを設置してきたが、冬季3か月間にわたる同じイルミネーションへの「飽き」の発生が課題となっていた。今回の実証実験では、イルミネーションのIoT化を行うことで、スマホでの操作や季節ごとに変化するイルミネーションを実現し運用する。また、スマホからの操作記録を分析することで駅周辺のにぎわいづくりへの貢献度を検証する。

チーム連携賞の北九州高専・高専ファブラボチームの「国や文化の壁を越えたグローバルなスポーツ「COROMO」の提案」もワイヤレスIoT活用部門。3Dプリンタで造形した駒の中にLED、加速度センサなどを組み込んだアイテムの開発や、駒とスマホの無線通信・アプリの開発などを行い、世界中の人たちが楽しめるグローバルな環境づくりに取り組む。

同じくワイヤレスIoT活用部門で社会課題解決賞に選ばれた沖縄高専のゆいまーるDeすいまーるチームの取組は「働きがい促進のための農福連携水耕栽培システム」。障害者をはじめとする就農者側の視点に立ち、福祉施設など中規模な場所での水耕栽培と施設間連携の取組をIoT技術で実現するため、水耕栽培キット、就農支援アプリ、水耕栽培ネットワークの研究開発を行った上で、システムのフィージビリティを示す。将来的には、多種多様な年齢層・環境課の就農者の働きがいの促進と農業の効率化を同時実現を目指す。

匠の技賞の群馬高専・群馬高専チームの「ピッツァ窯IoT」もワイヤレスIoT活用部門。窯内の照度や温度などを測定し、クラウドサービスを介し窯の製造元が製造販売した窯の利用状況を24時間把握できるシステムの開発に取り組む。


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