政府は18日、2019年の高齢社会白書を閣議決定した。それによると、複数回答で外出の手段を尋ねたところ、「自分で運転する自動車」と答えた人が56.6%で最も多かった。
調査は昨年の11月から12月にかけて実施。全国の60歳以上の男女3000人を対象に行い、62.3%にあたる1870人から有効な回答を得た。答えをみると、「自分で運転する自動車」に次いで多かったのが、「徒歩」の56.4%だった。そのほかでは、「自転車」(22.4%)、「家族などの運転する自動車」(20.5%)、「電車」(20.3%)、「バス」(20.2%)がいずれも2割程度となっている。
■ 運転者の7割弱「ほとんど毎日運転する」
外出手段に「自分で運転する自動車」と答えた人に運転の頻度を尋ねたところ、「ほとんど毎日運転する」という回答は、全体の約3分の2にあたる67.4%だった。都市別に分析すると、東京23区や政令指定都市の「大都市」では毎日運転する人が50.0%だったが、区分けで最も小さい「町村」では75.5%になるなど、街の規模が小さいほど毎日運転する割合が高くなっている。
さらに年齢別にみると、60代前半では78.3%が「毎日運転する」と答えているが、60代後半では66.6%、70代前半では64.1%、70代後半では65.1%と多少のバラつきがありながらも、全体的に運転の頻度は年齢が高くなるほど低下する傾向にあった。だが、80歳以上でも「ほとんど毎日運転する」という層は、半数以上(58.7%)にのぼっている。
■「一定の年齢で運転やめる」4割
今後の運転については、「一定の年齢になったら、車の運転をやめようと思っている」人が40.4%、「視力の低下などにより運転の支障を感じたら、車の運転をやめようと思っている」人が39.8%で、2つの回答が全体のおよそ8割を占めた。一方で、「年齢や身体的な支障の有無にかかわらず、車の運転を続けようと思っている」人も11.5%いた。