2019年6月4日 昨年7月の猛暑は地球温暖化が影響 気象庁研究所などが将来見通しも

気象庁気象研究所、東京大学大気海洋研究所、国立環境研究所の研究チームは、昨年7月の記録的な猛暑に対する地球温暖化の影響と猛暑の発生回数の将来見通しを評価。温室効果ガスの排出に伴う地球温暖化を考慮しなければ、昨年のような猛暑は起こりえなかったことを明らかにした。また、世界の気温上昇が2度に抑えられたとしても、国内での猛暑日の発生回数は現在の1.8倍になると推定している。

平成30年7月、日本列島は記録的な猛暑に見舞われ、同月の熱中症による死亡者数は1千人を超えた。これは、平成22年8月の765人をはるかに超えて、熱中症による月別の死亡者数としては過去最多となった。さらに平成30年は、全国のアメダス地点における猛暑日(最高気温が35度以上の日)の年間の延べ地点数が600地点を超え、過去最多を記録した。猛暑の事例は、地球温暖化の進行に伴って今後も増え続けると予想される。

研究チームによると、今回のような猛暑の発生確率が、地球温暖化の影響を受けている平成30年7月の気候においては約20%であったのに対し、地球温暖化の影響がなかったと仮定した場合においてはほぼ0%だったと推定している。

さらに、工業化以降の全球平均気温は現在約1度上昇しているが、今後「パリ協定」において世界共通の長期目標として設定された2度まで上昇したと仮定した場合、日本国内での猛暑日の年間発生回数が、現在の1.8倍になると推定された。これは、過去にほとんど経験したことのないような頻度で猛暑の発生が増加することを意味するという。


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