非常に大きく減って過去にない水準へ落ち込んだことがわかった。厚生労働省のまとめによると、今年度の介護支援専門員の実務研修受講試験を受けた人は全国で4万9312人。13万1560人だった昨年度の37.5%にとどまっている。一気に6割強も少なくなった。
今年度から受験資格の厳格化が実施され、現場で経験を重ねたヘルパーなどが対象外となった影響が大きい。かなり忙しい割に収入はさほど増えない、といった認識が広まった可能性もある。
厚労省の担当者は、「直ちに地域の介護サービスに深刻な影響が及ぶとは考えていない。今後の動向を慎重に見極めていきたい」としている。
ケアマネ試験の受験者は過去10年、概ね13万人台から14万人台で推移してきた。2016年度は12万5000人まで下がったが、10万人を下回ることはなかった。全21回の最少記録は17年前、2001年度の9万2735人。今回はその約半分となった。
最大の要因は受験資格だ。これまでは5年以上の経験を持つ2級ヘルパーなども認められたが、ケアマネの専門性を高める観点から厚労省が2014年度にルールを改正。介護福祉士や社会福祉士、看護師、医師といった法定資格の保有者、生活相談員、相談支援専門員など(いずれも5年以上の経験が必要)に限定する内容で、3年間の経過期間を経て今回から適用された。
淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「ケアマネの専門性の向上は重要だが結果として門戸を狭める形となった。少子高齢化がさらに進む2030年、2040年を見据え、次世代の人材を確保・育成していく長期的な視点も必要」と指摘。「求められる役割や仕事量が大きく増えており、介護職員との賃金の差も少し縮まった。ケアマネを目指す人が以前より減ったことも要因」としている。