先月12日に閉幕した「国際福祉機器展 H.C.R.2018」では、最新のモビリティに来場者の関心が集まった。高齢者や障害者の足となって移動や外出を支える機器は、その人の可能性を広げたり生きがいを作ったりと意義が非常に大きい。ここでは展示の中から3種類をピックアップして紹介していく。
WHILL
新たに約50億円を調達したと発表したWHILL。昨年6月に販売を始めた「WHILL Model C」などをPRした。ブースには大型の鏡を設置。試乗する人が自分の姿を「試着」のように確認できる仕掛けとした。担当者は「すべての人の移動を楽しく、スマートに、というコンセプトを鏡をみて実感して欲しい」と話した。
「WHILL Model C」では価格を「Model A(写真)」の半額以下に下げている。利便性を高めるために大幅な軽量化を図ったほか、パーツを取り外し可能にするなど収納性もアップさせた。
YAMAHA 低速モビリティ「YNF-01」
ヤマハは新型モビリティのコンセプトモデル「YNF-01」を初めて出展した。これまで蓄積してきたノウハウをつぎ込んで開発。様々な路面に対応できる大型タイヤと衝撃を吸収する4輪独立サスペンションを採用した。利用者に「ホールド感」と「解放感」を感じさせるしなやかなフレーム設計を実現した、という。外に出かけたくなるオフロードテイストのスタイリング。乗る者の冒険心を掻き立てるデザインと走破性、と紹介している。
販売時期は現在未定。商業施設やテーマパークなどでの活用も想定している。担当者は「若い人だけでなく高齢者にも利用して頂きたい。“ラストワンマイルモビリティ”として先進的なコミュニティづくりなど、新たな移動利用を積極的に提案していきたい」と話している。
ペルモビール
スウェーデン発の「ペルモビール」は、利用者の状態に応じて座位の角度を調整できる電動車いすだ。体を保持したままスタンディングの姿勢で走行できるタイプも用意。8時間の充電で20km超を走れるという。ペルモビール社は、障害で座った姿勢が続くと内臓機能や骨密度の低下などでリスクが高まると説明。立つ姿勢をとれるメリットは大きいとしている。