2018年8月9日 インフラメンテナンスの着実な実施 緊急的に取り組む施策を取りまとめ―国交省

国土交通省は、6月22日に開催した社会資本メンテナンス戦略小委員会での議論を踏まえ、インフラの老朽化に対し緊急的に取り組む施策(工程表)を3日に取りまとめた。この中で、緊急的に取り組む主な施策として、効率的な点検・診断ができるよう点検基準・要領等を見直すことや、年度内に分野別にLCCの考え方を提示し、地方自治体の維持管理・更新費の算出を支援することなどを掲げている。国交省では今後、これらの施策について着実に取り組んでいく方針だ。

高度経済成長期に集中的に整備された社会資本(インフラ)の急速な老朽化の懸念から、社会資本の維持管理・行進は、国だけでなく、社会資本の大部分を管理している地方公共団体を含めた我が国全体の大きな問題となっている。

国交省が示した緊急的に取り組む施策のうち、点検・診断では、①インフラの重要度や老朽化度合等に応じ点検内容・方法を設定することや、新技術を活用するなど、効率的な点検・診断ができるよう点検基準・要領等を見直し、②公募により選定した技術を現場で活用・評価することにより、新技術の現場実装を促進(テーマ設定型技術公募)、③「インフラ維持管理における革新的技術の導入加速化・横断的展開事業(新設)」による導入マッチングを実施、④点検・診断における新技術導入に向け、市町村までを含めた新技術導入の進捗管理等により、国・地方自治体での新技術導入を推進することで重点化・効率化する。

その上で、今秋に、ロボット、センサー、タブレットの活用、データベース整備の現状と今後の取組方針について県別・市町村別に取りまとめを行うとした。

着実な補修・修繕への取組としては、補修・修繕等の措置が必要な施設への対応に必要な費用を把握し、個別施設計画で年次計画を明確にするなど、計画的に取組を推進する。また、分野別のLCCの考え方を技術資料・ツール等で年度内に提示し、地方自治体の維持管理・更新費用の算出を支援する。

集約・再編等(参考となる情報の提供)については、総合計画や立地適正化計画によるまちづくり・地域づくりの方向性と整合を取りながら、計画的に推進することとしたほか、各施設分野でガイドライン・考え方・事例集等を作成・公表することとしている。

メンテナンスサイクルの確立においては、今年度から、インフラの老朽化の状況や取組、個別施設計画の主たる内容などの見える化を推進する。また、基本諸元や点検記録等について社会資本情報プラットフォームに蓄積し、公開するほか、既存紙データのデータ化、DB登録への予算的支援、データ内容の統一化、データの品質確保などについて検討、実施する。さらに、公共施設等総合管理計画や個別施設企画策定に反映するため、今年度中に留意事項(ガイドライン)を取りまとめる。


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