吉野家は7月18日から、高齢者などをターゲットにした介護食「吉野家のやさしいごはん」の第3弾として、「うなぎの蒲焼き」の販売を開始する。全国の病院や介護施設などに売り込んでいく方針。当面は個人向けの販売はしないという。
「何かの記念日や季節の行事などの際に食べていただければ」。吉野家の担当者はそう話す。例えば発売日の2日後の7月20日や8月1日は「土用の丑の日」だ。そうした特別な日に提供するスペシャルメニューのニーズを見込んでいる。
ラインナップは3種類。スプーンで食べられる「やわらかタイプ」、1つ1つが小さくひつまぶしもできる「きざみタイプ」、「通常タイプ」が用意されている。吉野家は公式サイトで、「見た目や風味はそのまま」「小骨が気にならない」などと宣伝している。咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者でも食べられる介護食で、塩分量はタレも含めて1食1グラム程度に調整したという。先行受注を行っている販売サイトでは現在、「やわらかタイプ」と「通常タイプ」が6食で5280円、「きざみタイプ」が6食で4680円(いずれも税抜き)となっている。
今年度は6万食を限定販売する計画。ここでニーズや傾向を見極め、来年度以降の本格展開につなげていく。
昨年2月に発売した「牛丼」、昨年9月に発売した「豚丼」に続くシリーズ第3弾。吉野家は通常の店舗でも「鰻重」を販売しており、うなぎが好きな高齢者が多いことも踏まえて商品化を決めた。
吉野家の担当者は、「先行した2つの商品が、店舗に来ていただき食事をすることが難しい男性を中心に好評を得ている」と説明。「今後も吉野家にあるメニューを、第4弾、第5弾と売り出していきたい」としている。