2018年7月2日 医師の7割、処方時に薬価を考慮 医療費抑制へ、国は薬価削減に照準

医師の70.7%は、薬を処方する際に薬価を考慮していることがこのたび、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアの調査で明らかになった。

調査は、5月10日に会員の医師3000人を対象に行った。「患者さんに薬を処方する際、どの程度薬価を考慮に入れて処方していますか?」と質問したところ、「考慮することもある」と答えた人は46.9%、「大いに考慮する」は23.8%だった。逆に、「あまり考慮しない」(15.5%)と「全く考慮しない」(4.0%)を合わせた約20%は、薬価を気にせず薬を処方していた。そのほか、「どちらとも言えない」と答えた医師は9.8%となっている。

最も多かった「考慮することもある」の自由回答欄をみると、「患者の経済状況や意向によって意識する」、「高額な薬剤を処方する時は考慮する」、「同じ効果なら薬価の安い方を選ぶ」と言った声が多かった。それ以外にも、「以前は全く考慮せず、効能優先で処方していたが、患者さんからの意見で考慮することが必要な場合があると感じている」や、「患者さんのコスト意識も高くなってきており、患者さんによっては薬価を考慮することもある」など、患者側の意識変化を受けて対応が変わっていると答えた医師もいた。

「大いに考慮する」と答えた医師からは、「患者の経済負担を減らすため」という声に加えて、「医療費削減のため」という国家財政や医療制度の維持を意識した声が多くあがった。「基本的にはジェネリック優先、高額な薬はなるべく使わないようにしている」と方針を示している医師もいる。

さらに、「全く考慮しない」「あまり考慮しない」と回答した医師からは、「効果や処方数は気にするが、薬価は気にしない」「そもそも薬価を知らない、調べる時間がない」という声や、科目によっては高額な薬剤が少なかったり、小児科など助成により患者負担が少ないことが理由にあがった。「考えていたら外来をさばけない」や「そんなことより必用な薬だけ処方しましょう。それだけで医療費は削減されます」といった意見もあがっていた。

 

■ 2020年までに80%後発品に

医療費の削減に向けて政府は昨年6月、「2020年9月までにジェネリック医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」という目標を閣議決定している。2017年9月時点の数量シェアは65.8%。

 


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