小中学生が学校で、全員が自分用のパソコン端末を使える教育環境「GIGAスクール」。全国の教育現場で今年4月からこの新たな学習環境が登場することとなるが、文部科学省では、同スクール構想の実現に向けた通信ネットワークの円滑な運用確保に関する通知を、3月12日付で全国の教育委員会や附属学校を置く国立大学等に対して発出した。
GIGAスクール構想を円滑に進めるためには、学校等が本格運用後に想定される通信ネットワークに関するトラブル事象を可能な限り未然に防ぎ、児童生徒が安定したネット環境のもとで、ICTを活用した学習を行えるよう準備を整えることが必要。
このため文部科学省では、ネット環境の事前評価対応策を策定。対応策では、①ネット環境の事前評価の実施するにあたり、一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会のwebサイトで情報提供しているネットワークアセスメントの項目を参考にするよう求めている。
また、②評価の結果、ネット環境に課題があるとされたケースでは、ネットワークの増強や契約の見直し、運用上の工夫などを行いネット環境の改善を図ることも必要な施策の一つとして例示。その際、学校からのネット回線として光回線を利用していない学校に関しては、以前は未光地域対象であった地域でも、光回線が利用できるように最近改善されているケースもあると指摘。あらためて通信事業者に確認し、必要に応じて契約変更も検討するなど、GIGAスクール構想の趣旨を踏まえた充実したネット環境の整備に努めるよう要請している。
さらに、これらの取組に進めるに当たっては、国の令和2年度補正予算に計上している「学習系ネットワークにおける通信環境の円滑化」(学校施設環境改善交付金)や、「GIGAスクールサポーター配置支援事業」の活用に関しても、併せて検討するよう促している。