萩生田光一文部科学大臣は3月12日の閣議後会見で、JR山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)の再開発で、明治の鉄道創業期の貴重な遺構が発見されたことを受け、今年2月に遺構を視察したことについて、総理に報告したことを明らかにした。『高輪築堤』は、明治時代の錦絵に出てくる橋梁が良好な状態で残っており、明治・日本の近代化を体感できるかけがえのない文化遺産。
萩生田大臣は、現在遺構の保存方策について現在進められているJR東日本の有識者会議での検討状況とともに、JR東日本と港区との協議が行われていることを総理に説明。さらに、大臣から「有識者の意見を踏まえながら、丁寧に議論いただき、ぜひ開発と保存を両立させながら、貴重な文化遺産を現地で保存・公開できるようご検討いただきたい」との要請を関係者に行っていることを報告したという。
その上で会見では、「今後の方策について、関係者によく知恵を出しあっていただきたいと考えており、必要に応じて文化庁からも専門的見地から助言を行いたい」と、遺構の保存・公開に文部科学省としても協力する姿勢を示した。
高輪築堤は、明治5年にわが国で初の鉄道が開業した際に、海上に線路を敷くために東京湾の浅瀬に土を盛って両脇を石垣で固めて築かれた堤。萩生田大臣は2月16日に現地を訪れ、担当大臣として現状把握に努めるとともに、関係者と意見を交わした。