2021年4月5日 【研究開発】東大教授が国内初の医療機器薬事認証取得 人工膝関節置換術手術ナビシステムで

 

東京大学大学院工学系研究科 附属人工物工学研究センターの杉田直彦教授は、国内初となる国産人工膝関節置換術(TKA)用AR手術ナビゲーションシステムの医療機器薬事認証を取得した。モバイル携帯端末を用いたARシステムによる低コスト、簡便性、高性能の全てを実現。高い汎用性による正確なナビゲーション手術の普及と医療費の国内還元循環、海外マーケットへの進出が期待される。

人工膝関節置換術(TKA)で、正確な骨切りによる良好な下肢アライメント(注 1)の獲得は、術後成績に直結する最重要課題の一つで、それをアシストするさまざまなシステムが導入されている。

しかし、そのほとんどが高価で操作が煩雑となるため普及には至っていない。この課題を解決すべるため、東大と国内医療機器製造販売業のシェルハメディカ㈱で、低コストかつ簡便で高性能なAR(拡張現実)手術ナビゲーションの研究成果として「OrthooRaptorr ナビゲーションシステム」を開発し、TKA用AR手術ナビゲーションとしては国内初となる医療機器薬事認証を取得した。

携帯端末用い低コストで製品化

市販されているモバイル携帯端末を用いることにより、低コストの製品化を実現した。またAR機能による直観性を高め術者使いやすさを追求し、さらに低反射特殊技術を用いて手術用のARマーカーも開発し、手術室の無影灯下でも高い認識性能を持つARシステムとなった。

同システムによりTKAでのナビゲーション手術を促進させることで、正確かつ短時間の手術によるさらなる患者の満足度とQOLの向上へ寄与が期待される。また、膝関節・股関節合わせた関節症患者へ展開し、術前三次元計画情報および術中運動計測の連携も含めた複合的なシステムの構築を目指す予定だ。


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