スーパーコンピュータ「富岳」がスパコンランキングにおいて、令和2年6月から4期連続で世界1位を獲得した。米国でオンライン併用開催されたハイパフォーマンス・コンピューティング国際会議にあわせて発表された。
「富岳」は、今回発表されたスーパーコンピュータの性能を評価する様々なランキングのうち、TOP500(単純計算性能)、HPCG(アプリケーション実行性能)、HPL‐AI(AI性能)、Graph500(ビッグデータ処理性能)において、今年6月に発表されたランキングに引き続き世界1位となった。
「富岳」は、わが国の科学技術の発展、産業競争力の強化に資するための最先端の研究基盤として、世界最高水準の汎用性のあるスーパーコンピュータの実現を目的として平成26年度より開発を開始。
昨年4月からは、整備中の富岳を活用して緊急的に新型コロナウイルス感染症対策に貢献する研究課題を実施し、その高い性能を活用したシミュレーションにより得られた成果がわが国の感染症対策の検討に活用されてきた。
当初は、今年度の共用開始を目標に整備が進められていたところだが、新型コロナウイルス感染症への対応を含め、わが国が直面する課題の解決や科学技術の発展、産業競争力の強化へ可能な限り早期に貢献していくため、当初予定を前倒し、今年3月9日に共用を開始した。
共用開始後は、一般・産業利用課題をはじめとする課題で利用が開始されているほか、昨年度、試行的に実施してきた「富岳」成果創出加速プログラムの本格的な利用が開始されるなど、早期の成果創出に向けて様々な取り組みを進めている。
文部科学省では、「富岳」を国民共有の財産として、より一層幅広く利用してもらうため、誰もが利用しやすい環境を整えるとともに、健康医療、防災・減災、エネルギー、ものづくりなどわが国の社会的・科学的課題の解決に貢献する画期的な成果の創出に向けて、引き続き取り組んでいくとしている。