2021年3月29日 アステラス製薬が同志社大、和歌山県立医大と共同研究契約

アステラス製薬は、同志社大学、和歌山県立医科大学との間で、AI(人工知能)・統計学による医薬品価値の最大化を目指した共同研究契約をそれぞれ締結した。医薬品開発の意思決定最適化や患者個別の治療効果推定に関する取組を推進する。

同志社大は、文化情報学部統計科学研究室と、意思決定のための統計モデリングに関する共同研究を行う。医薬品の研究開発には、対象疾患の選択や臨床試験デザインなど、多くの重要な選択が伴うことから、データに基づき、統計モデル・シミュレーション技術によって多様な選択肢の長所と短所を評価。医薬品開発の意思決定を加速させるとともに、最適化を目指す。

和歌山県立医科大とは、治療効果の統計的推定に関する共同研究を進める。患者の状態に合わせて医薬品の効果を予測できれば、適切な医薬品を選択することが可能になり、治療効果の向上と医療コストの削減につながる。そこで、リアルワールドデータに基づき、治療の効果を推測する統計的手法を開発することによって、患者ごとに治療のプロセスを最適化するための医学統計情報基盤を構築する。

これら二つの共同研究で得られるシミュレーションの結果やノウハウが相互に活用されることによって、より確度の高い推定に基づいた意思決定が可能となるなどの相乗効果が期待される。

医薬品価値の最大化に取り組む

ここ数年、分析技術・情報技術の革新に伴い、医療やライフサイエンスに関するデータ・情報は著しく増加しており、価値を創出するための新たな機会が数多く生まれている。同社では、この二つの共同研究を統合的に進めることによって、医薬品価値の最大化に取り組む方針だ。


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