学校法人沖縄科学技術大学院大学学園(OIST)と学校法人慶應義塾は、8月26日に科学・学術協力に関する基本協定を締結した。互恵の精神に基づき連携・協力することにより、科学技術の振興につなげることを目的とするもので、①教員、研究者、研究支援・事務に携わるスタッフの相互交流、②大学院における合同プログラムの実施と教育及び人材育成のための相互支援、③共同研究等の研究協力―などで連携する。さらに、④研究施設・設備の相互利用、⑤学術資料、学術出版物その他の情報の相互利用、⑥技術移転・起業家育成に関するベストプラクティスの共有―といった事業で協力することで合意した。
両大学は数年前から連携協定締結に向けて交流を深めてきました。昨年1月には、慶應義塾大医学部学生のOISTでのインターン受入、同年4月には、1回目のOIST―KEIO ショーケーストークイベントを開始。同イベントは同年10月に2回目、今年6月には3回目が開かれ、双方の研究者がそれぞれ発表やディスカッションをすることで、互いの研究に対して理解を深め、ネットワークを構築した。
ピーター・グルースOIST理事長兼学長は、「江戸時代に開塾された慶應義塾は、日本で最も長い歴史のある私立大学です。一方、OIST は開学 10 年あまりの新しい大学です。両大学には世界トップクラスの最先端の研究を行っているという共通点があります。両学は、学際的な研究を通じて国内および世界の課題を解決するという共通のビジョンを持っており、提携に大きな期待を寄せています」と話している。
伊藤公平慶應義塾理事長兼学長は、「我が国における比類なき大学院大学として世界トップクラスの研究者・学生を引きつけてやまないOISTは、世界の科学技術の発展に寄与する、日本学術界に輝く星のような存在です。慶應義塾においても、創立者・福澤諭吉が掲げた『全社会の先導者』という目的を追求してきました。両学が連携・協力し、あるいは切磋琢磨することにより世界に向けて新しい大学院連携のモデルを示し、それにより優秀な研究者を輩出してさらなる学術の振興に貢献してまいりたいと思います」とコメントしている。