経済協力開発機構(OECD)から平成29年度から令和2年にかけての政策調査研究の結果として、『OECD幼児教育・保育白書第6部』が公表された。増大する幼児教育・保育への需要と期待に応えることを目的として、国際比較を通じ、最低基準や要件にとどまらない幼児教育・保育施設の多面的な〝質〟と、質を向上させる政策についてより理解を深めるために、平成29年から令和2年にかけて調査研究プロジェクトを実施。白書として取りまとめた。
白書では、120以上の異なる幼児教育・保育施設類型について、資格要件や労働環境のデータが報告され、総じて「プロセスの質」が、幼児の学び・育ちを支える鍵となっていると指摘。プロセスの質の向上のためには、
・カリキュラムの基準において、教授法、家庭やコミュニティとの関わり、小学校段階との目標の共有などの接続等を明確化すること
・幼児の実態の経験に着目して、基準の実行状況を確認・評価すること
・カリキュラムの基準に即した養成課程及び研修の機会を提供すること
・保育者が幼児の家庭と強固な関係を築くこと
・様々な園務に対応するための労働環境を整備し、待遇を改善して質の高い人材を保持すること
などの重要性を強調している。
また、格差解消は質の高い幼児教育・保育の主要な目標との考えをあらためて表明。「幼児教育・保育のカリキュラムは教育の出発点であり、その後の教育段階と分けて見るべきではない」と述べ、小学校等との接続が質の高い幼児教育・保育の効果を保障し、教育の成果の公平性を改善させることにつながっていると分析した。
発達段階に合わせたカリキュラムの基準を通じて、幼児の全体的な発達を保障すべきとの見方とともに、幼児教育段階が小学校段階の学びの前倒しにならないようにしつつ、小学校段階の円滑な接続を実現することが重要と訴えている。