□ポイント■
〇多言語音声翻訳アプリ「ボイストラ」にウクライナ語を追加し、日常基本会話に対応
〇ウクライナ語を話される方々の買物や公共交通機関の利用などの場面でコミュニケーションを支援
〇今後、ウクライナ語の音声翻訳技術は民間企業にもライセンス予定
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)ユニバーサルコミュニケーション研究所先進的音声翻訳研究開発推進センターは、言葉の壁をなくす多言語音声翻訳技術の研究開発を行っており、個人での試用を想定した研究用アプリとして「ボイストラ」を公開している。今回、緊急的な初期対応として、翻訳できる言語にウクライナ語を追加し、8月2日にアプリを更新し公開した。このアプリ公開により、ウクライナ語を話す人々の買物や公共交通機関の利用などの場面でよく使われる日常基本会話を翻訳し、コミュニケーションを支援する。
今後、ウクライナ語の音声翻訳技術については、民間企業にもライセンスする予定。
NICTでは、2010年に、多言語音声翻訳技術の研究開発成果として多言語音声翻訳アプリ「ボイストラ」を公開してきた。「ボイストラ」は、話しかけると外国語に翻訳してくれるスマホ用アプリ。その後、言語数を増やし、また、さまざまなシーンに対応できるよう「ボイストラ」を進化させてきた。
さらに、大阪・関西万博が開催される2025年に向けて、政府全体で進める観光戦略や外国人材受入れ政策を背景とした外国人との共生社会の実現などを目指し、多言語音声翻訳技術の更なる高度化に向けて研究開発を推進すべく、総務省は、2020年に「グローバルコミュニケーション計画2025」を発表した。NICTでは、これを受けて、訪日・在留外国人、国際ビジネスに対応する言語を15言語とし強化してきた。
今回、多言語音声翻訳の対応言語の拡大の一環として、「ボイストラ」の翻訳できる言語にウクライナ語を追加し、31言語となった。