2022年1月25日 【NEDO】「洋上風力発電の低コスト化」に着手、Gイノベ基金事業の一環で

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、グリーンイノベーション基金事業の一環として、浮体式を中心とした洋上風力発電のコスト低減によって導入拡大を目指すプロジェクト「洋上風力発電の低コスト化」(総額1195億円)に着手する。

同プロジェクトでは、フェーズ1として①次世代風車、②浮体式基礎製造・設置低コスト化、③洋上風力関連電気システム、④洋上風力運転保守高度化―の4分野を対象とした18テーマの要素技術研究開発を進める。

また、最速2023年度以降に実施する実証研究(フェーズ2)と合わせて、浮体式を中心とした洋上風力発電の早期の低コスト化を通じた導入拡大を目指す。

CNへ総額2兆円の基金造成

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする目標を掲げた。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするもので、実現するにはエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要がある。

このため、経済産業省はNEDOに総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援するグリーンイノベ基金事業を立ち上げた。

同基金事業はグリーン成長戦略で実行計画を策定した重点分野を支援対象としており、その一つとして「洋上風力産業」が挙げられている。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーを最大限導入するという政府方針の中で、特に洋上風力発電は大量導入やコスト低減が可能で経済波及効果が期待されることから、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札とされている。


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