東京駅前のJPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」では、特別公開『カトレヤ変奏―蘭花百姿コロンビアヴァージョン』を開催している。この展示は、インターメディアテク開館10周年記念事業の一環として、コロンビアのボゴタ現代美術館(ミヌト・デ・ディオス大学文化団体)と東京大学総合研究博物館との国際協働によるモバイルミュージアム・プロジェクトの東京展として実施するもの。6月4日まで開催。
蘭の博物誌をテーマとする展示企画『蘭花百姿』のコロンビアバージョンとして、18世紀後半から19世紀前半に植物学者ムティスが率いたコロンビア植物探検調査により現地コロンビアで描かれた植物画から、現在のコロンビアの国花であるカトレヤ・トリアナエほか、日本でこれまで紹介される機会の少なかった「ムティス様式」の特徴が際立つ蘭の図像を厳選して紹介する。
この展示と併せて、20世紀前半に実業家の加賀正太郎が京都にて栽培した外国産蘭を記録した『蘭花譜』から、コロンビア産やその他ラテンアメリカ産の蘭を表した日本画を下図とする多色刷り木版画を展示する。
同館の新規収蔵資料である『蘭花譜』は、会期中、定期的に展示更新を行い、カトレヤ・トリアナエをはじめとするコロンビア産のカトレヤとその人工交配種の多様な姿を見ることができる。