2022年8月18日 【JAXA】e‐kagakuと共同研究契約 衛星レーザ測距を用いた低軌道超小型衛星の軌道把握

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と一般社団法人e‐kagaku国際科学教育協会(京都市)は、2024年度に打上げ予定の『e‐kagakuジュニア衛星』に「mini‐Mt.FUJI」を搭載し、軌道上実証実験を実施するという共同研究契約書を締結した。

mini-Mt.FUJIは、JAXAが開発した衛星レーザ測距(SLR:Satellite Laser Ranging)用の超小型反射器。人工衛星に取り付けられたSLR反射器に向けて地上のSLR局からレーザを照射し、反射して返ってきた光を再び検知するまでの往復時間を計測することで、SLR局と人工衛星との距離を高精度(mmオーダ)に測定することができる。

e‐kagakuジュニア衛星は、e‐kagakuで中高生と大学生が中心となり進めているプロジェクト。衛星は、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」から放出し、その衛星の軌道をSLR技術により高精度に把握する世界初の試みとなる。

JAXAはmini-Mt.FUJIの技術情報を提供し、軌道決定情報を提供。e‐kagakuはmini-Mt.FUJIの設計・製造・試験及び打上げ、運用を行う。また、衛星が大気圏に再突入するところまで観測する。

e‐kagakuジュニア衛星は小型人工衛星CubeSat(キューブサット、10×10×10㌢㍍サイズ、重量1㎏)サイズだが、地球上から光学観測できるほぼ限界の大きさとなる。

共同研究の結果は、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の軌道解析にも貢献できると期待されている。


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