国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)など3団体企業4社が、超音速機技術の研究開発に関する協定を締結した。超音速機技術の実用化を目指して、国内体制を構築する。
今回、協定を締結したのは、JAXAをはじめ一般財団法人日本航空機開発協会(JADC)、一般社団法人日本航空宇宙工業会(SJAC)、三菱重工業㈱、川崎重工業㈱、㈱SUBARU及び㈱IHI。
現在の航空機は音よりも遅く、マッハ0.8程度で飛行しており、日本から欧米までの飛行時間は12時間以上かかる。しかし、音よりも速く、例えば倍の速度で飛行できれば、飛行時間は半分になり、日本から欧米への飛行時間は6時間にまで短縮される
協定に基づき、各機関はわが国の産業界が2030年ごろに想定される超音速機の国際共同開発に参画することを目指し、技術ロードマップの策定や国際共同開発に向けた協力体制を実現するための活動を協議するJSR(Japan Supersonic Research)協議会を設置した。
音より速く飛行する超音速機は、飛行時間を大幅に短縮し、航空輸送に大きな変革をもたらします。しかし、その実現には経済性や環境適合性の観点で技術的な課題があり、JAXAはこれらの課題解決に向けた超音速機技術の研究開発を進めてきた。
また、こうした成果を産業界を通じて実用化する体制面でも課題があったが、JSR協議会の設置によって、JAXAと産業界が連携して研究開発を推進する国内体制構築が可能となった。
今後、JAXAはJSR協議会の活動を主導し、国内産学官が一体となった超音速機技術の研究開発を通じて、わが国航空機産業の拡大に貢献する方針だ。