順天堂大学は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が公募した令和3年度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(腸内マイクロバイオーム制御による次世代創薬技術の開発)」に応募し、研究開発課題「リバーストランスレーショナル創薬に向けた包括的マイクロバイオーム制御基盤技術開発」(提案代表者:独立行政法人産業技術総合研究所・鎌形洋一氏)」が採択された。
同事業では、炎症性腸疾患の有効シーズ創出事業の研究開発代表機関として医学部消化器内科学講座(永原章仁教授)の石川大准教授(研究代表者)が中心となり、研究開発を推進する。
研究期間は最長6年間。五つの代表施設から構成される複合型事業で、研究代表機関である順天堂大は分担研究施設のメタジェンセラピューティクス社とともに、便移植療法の臨床研究を通して炎症性腸疾患(IBD)に有効なシーズ創出研究を推進する。
ここ数年、腸内の共生細菌叢であるマイクロバイオーム(MB)研究の著しい進歩により、腸内MBが生体に与える影 響や様々な疾患との関連性に関する知見が数多く報告され、生菌製剤などの新たな薬剤への応用が注目を集めている。
腸内MB制御による疾患治療技術の研究開発が国内外で急速に活発化しているなか、国内では、生菌製剤を医薬品へと導く基盤技術が整備されていないといった課題がある。
こうした現状を踏まえて、同事業では、国際競争力のある国産の腸内MB制御医薬品の創出に向け、腸内MB創薬及び製造・品質管理技 術基盤の構築と幅広い実用化を目指した研究開発を行う。