2021年10月5日 【順天堂大】ロコモ予防のトレーニング効果を適切に得るためには栄養状態が鍵

順天堂大学COIプロジェクト室の沢田秀司博士研究員、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の内藤久士教授、町田修一教授らの研究グループは、ロコモ予防のための運動介入研究の結果、血液中のタンパク質の一種である血清アルブミンが低負荷レジスタンストレーニングの効果を予測するバイオマーカーになることを明らかにした。この研究では、運動介入前の血清アルブミンレベルに着目したところ、低栄養(3.5ℊ/dL未満)には該当しない状態であっても、4.1g/dL未満と比較的低値である場合には、トレーニングで期待される筋量増加等の効果が適切に得られないことがわかった。これは順天堂大が取り組んできたCOIプロジェクトの研究成果であり、トレーニングの効果を適切に得るためには栄養状態の改善が必要であることを示唆するもの。この研究の論文はBMC Geriatrics誌で公開された。

順天堂大では平成25年度(2013年度)から、文科省と科学技術振興機構(JST)が設定した「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」の参画拠点機関として、〝生涯自分で動き続けることができる体作り〟すなわち〝寝たきりゼロ〟を目指し、ロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防・改善策を開発するプロジェクトに取り組んできた。

そのなかで、自体重トレーニングを中心とする低負荷レジスタンストレーニングのプログラムである「ロコモ予防運動プログラム」を開発し、継続実施により筋量、筋力、身体機能の改善が期待できることを明らかにしてきた。

こうしたトレーニングについては、同一のプログラムを提供しても得られる成果には個人差があることが知られているが、要因は明らかではなかった。そこでこの研究では、一般的な健康診断でも評価項目となる血液成分に着目し、トレーニング開始前の血液成分の違いがトレーニングの効果に影響する因子について分析した。


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