2021年5月25日 【順天堂大】コンタクトのアプリを開発 「目不快感」の原因を明確に

 

順天堂大学医学部眼科学講座・デジタル医療講座の猪俣武範准教授らの研究グループは、国内発となる大学の研究室が作成したiOS版コンタクトレンズのアプリケーション「コンタクトダイアリー」のAndroid版を新たに開発し、5月に公開した。コンタクトレンズは国内で約1600万人が使用していると推定されており、今回のアプリでコンタクトレンズに関する多くの情報をビッグデータとして収集・解析することにより、眼不快感の原因を明らかにすることを目指している。

総人口の1割がコンタクト使用

わが国では、総人口の約1割がコンタクトレンズを使用していると推定されている。しかしながら、装用者の約半数でコンタクトレンズ装用時に多様な眼の不快感を感じている。この眼の不快感は日常生活の質を低下させ、コンタクトレンズ装用を中断する最大の原因となっているが、要因が複合的に関係していて、不快感の原因は明らかとなっていない。研究グループでは、この眼の不快感の原因を解析し、原因に応じた複合的な対策ができれば、コンタクトレンズの中断を未然に防ぐことができると考えた。

今回、猪俣准教授らが開発した「コンタクトダイアリー」は、コンタクトレンズの適正使用と管理に役立つ、順天堂大学医学部眼科学講座・デジタル医療講座によるビッグデータ収集の基盤となる医学研究アプリ。アプリを通じて収集した情報から、コンタクトレンズ装用による眼不快感の症状の見える化と不快感の原因分析を行うことを目的として開発された。

アプリの主な特徴は、①コンタクトレンズの使用状況と症状の記録(ダイアリー機能)、②アプリを通じてコンタクトレンズの適正使用を啓発(アラート機能)、③コンタクトレンズ装用による症状の可視化(ポイント機能)―の三つ。

このうち、ダイアリー機能では、毎日のコンタクトレンズの使用時間を記録。また、ドライアイに関する質問紙票や花粉症の自覚症状アンケート、瞬き時間や眼の赤み度測定から、眼の症状を計測します。記録した時間や症状はカレンダーからいつでも確認できる。

アラート機能は、コンタクトレンズの装用時間や交換までの日数、眼科受診予定日がホーム画面上に表示され、ご自身のコンタクトレンズの装用状況を把握するもの。コンタクトレンズの適正装用時間を超過した場合や、入力したコンタクトレンズの交換期間を過ぎた場合にアプリからアラート。

さらに、ダイアリー機能で収集した症状は、写真判定機能とコンタクトレンズ関連ドライアイやアレルギー性結膜炎に関する質問紙票を用いて、〝うるおいポイント〟と〝キレイ眼ポイント〟で点数化される。ポイント機能は、点数は円グラフで表示され、自身の眼の状態がひと目で分かるようになるもの。また、1週間の点数と装用時間の推移をグラフで確認することができる。

 

 

 

 


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