順天堂大学スポーツ健康医科学推進機構は㈱ネイキッド(所在地:東京都渋谷区)とともに、同社が提供するスポーツとアートとテクノロジーを融合した新しいスポーツ体験システム『NAKED SPOREV.(ネイキッドスポレヴォ)』の体験会を、同大本郷・お茶の水キャンパスの特設会場で開催した。
今年4月1日から5月31日まで大学キャンパス内に特設会場を設置し、学生・教職員を対象に、センサーを使用した簡単な体力測定(垂直とび・反復横とびから選択)を、参加者の動きや測定値からアニマライズされたアートが会場全体に映し出される空間の中で実施。体験後、測定中の映像や測定記録、アドバイスが自身のスマートフォンに送られてくる仕組みになっている。
身体データの取得と合わせて、SPOREV.体験前後に、運動・スポーツに対する意識などを調査。期間中に230名以上が体験した。
低い若い世代のスポーツ実施率
Tokyo2020を契機に国内のスポーツへの関心は高まる一方、若い世代のスポーツ実施率は他年代に比べ最も低く、また運動・スポーツをしない〝無関心層〟が存在する。さらに、2020年からの新型コロナによる外出自粛により身体活動量やスポーツ環境条件がさらに低下しており、スポーツ実施・継続率向上は、各国が政策として取り組むべき世界規模課題なっている。
わが国では、「運動・スポーツ=学校体育や部活動」のイメージが定着し、生活の中で気軽にスポーツを楽しむ習慣や環境が整備されていないという課題もあった。
これらを単一分野からのアプローチでは解決できない複合的課題と捉え、異業種・異分野のチームを組み、スポーツとアートとテクノロジーの融合により、これまでの「健康のために運動する」から脱却し「楽しいから運動する、その結果健康につながる」という新たな価値観と行動変容を導くことを目指し、同大とネイキッドは共同研究を実施することになった。
他キャンパスでの実施も検討
今回、初めて大学キャンパス内にSPOREV.を設置したことにより、数多くの学生・教職員が授業の合間、業務の休憩時間に気軽に仲間と楽しんで運動に参加するという体験をした。
今後は、継続して多領域の有識者のチームで実証・協議を行い、有効なシステムの共同開発を進めるとともに、スポーツ健康科学部のあるさくらキャンパス(千葉県印西市)などの他キャンパスでの実施や医療領域での活用、地域と連携した展開も検討している。
順天堂大は、健康総合大学・大学院として、スポーツ医科学の研究を更に推進させるとともに、研究成果の社会還元として、「楽しく健康に」につながる場の創出も積極的に展開し、運動へ親しむ環境の拡大、スポーツ実施率向上への貢献できることを目指すこととしている。