順天堂大学教授らは、医療現場における外国人支援の一環として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種の際に活用できる動画教材『医療で用いる「やさしい日本語」-新型コロナウイルス・ワクチン接種編-』を作成し公開した。
順天堂大医学部医学教育研究室の武田裕子教授が、聖心女子大現代教養学部日本語日本文学科の岩田一成教授、帝京大大学院公衆衛生学研究科の石川ひろの教授、NPO法人国際活動市民中心(CINGA)の新居みどり氏とともに作成した。
〝やさしい日本語〟は、相手に合わせて、分かりやすく伝える日本語を指す。日本語を母語としない方、高齢者、障がいのある人など、さまざまな人々に用いられている。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、各地で64歳以下の接種予約も始まろうとしている現在、日本で生活する外国人にも予約の案内が自治体から送られ始めている。出入国管理庁による「令和2年度在留外国人に対する基礎調査報告書(令和3年2月)」では、日常生活に困らない以上の日本語を使えると回答する外国人は8割を超えており、〝やさしい日本語〟は外国人とのやり取りで広く役立つことが期待されている。
ワクチン接種の際に用いる表現は典型的なものが多いため、〝やさしい日本語〟を活用することで理解が広がるケースも多く見込まれることから、今後、対象が拡大するワクチン接種現場で、外国人支援に役立てることを目的に本動画教材は作成された。新型コロナワクチン接種を行う所定の会場・医療機関で広く関係者に活用してもらえるよう、無料で公開している。