2021年10月29日 【順大】医療現場に多様な性への理解を 研修受講職員に「レインボーバッジ」を交付

順天堂大学医学部附属順天堂医院は、性的マイノリティー(少数派)である「LGBTQs」をはじめ患者の多様な性のあり方に配慮した院内環境づくりの一環として、今年5月に有志職員を募りワーキンググループを立ち上げ、『アライ(Ally:LGBTQsなど性的少数者への支援者や理解者であることを示す)』の職員を増やす研修を8月に開始した。

今回の研修では、患者と最初に接する窓口業務の職員を中心に有志の参加者を募り、医師や看護師を含め計93名が参加。受講者には『アライ』であることを示すレインボーバッジが交付され、今後、レインボーバッジを付けた職員がいる総合受付には、レインボーフラッグも設置される。研修会は今後も継続して実施し、外来・入院部門の職員へも参加を広げていく予定。

病院の受診など医療に関わる場面は、LGBTQs当事者が困難に直面する状況のひとつと言われている。今年4月に発表された調査では、国内のLGBTQsの割合は8.9%と報告されている。

医療現場での性的マイノリティ対応、未だ不十分

しかし医療現場では、LGBTQsをはじめ多様な性的指向・性自認(SOGI)を有する人たちが受診・入院することを想定した環境整備がいまだ不十分。例えば、性自認と戸籍上の性が異なるトランスジェンダーの人は、受付での保険証提示や待合室で名前を呼ばれる場面など、診察室に入る前から困難に直面する。

診療の場面では、同性のパートナーがいるのに異性愛を想定した問診や言葉かけをされて、治療以前から大きな壁を感じるようなことが生じている。また、入院や緊急の治療が必要な時に、同性パートナーを家族として認めてもらえないかもしれないという不安を抱える当事者は多く、これはコロナ禍で改めて浮き彫りになった切実な問題でもある。

これらのなかには、医療関係者が配慮することで変えられるものもあることから、多様な性のあり方について医療現場での理解を深めていくことが不可欠となっている。


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