学校法人関西医科大学(大阪府枚方市)は、厚生労働省による「令和3年度女性医療職等の働き方支援事業」に採択された。女性医療比率や役割の拡大などの社会的要請に対応するとともに、女性医師が安心して勤務できる環境構築のための「オール女性医師キャリアセンター」設立といった取組が高く評価されたもの。さらに女性医師復帰プログラムを整備するなど、女性医師の勤務環境向上に向けた取組を全学あげて進めている。
女性医師数、5年前の123%増に
1928年に大阪女子高等医学専門学校として設立された関西医大は、設立以来、女性医師の育成と活躍を推進してきた。特にここ数年では、同大の女性医師数も右肩上がりに上昇し、2021年現在、女性医師数は5年前比で123%増となった。
また、同大の医学部では、毎年の入学者に占める女子学生の割合が4割を超え、今後も一層女性医師への期待や役割も大きくなっていくものとみられる。
このように女性医師のキャリア形成への関心も高まっているなかで、同大で女性医師が安心して医師としてのキャリアを継続できるよう、昨年4月1日に、オール女性医師キャリアセンターを設置した。
センターでは、〝すべての女性医師に活躍のステージを提供する〟をスローガンに、女性医師の声を積極的に導入。結婚、育児、介護などさまざまなライフイベントの中で多種多様な働き方を選択する女性医師のキャリア形成を支援するとともに、女性医師が働きやすいと思える職場環境の整備を推進している。今回、このような取り組みが認められ、「女性医療職等の働き方支援事業」採択に至った。
□女性医療職等の働き方支援事業:ここ数年年、医師の女性割合が高まっている一方、女性医師の中には、出産・育児・介護等によりキャリアを中断せざるを得ない場合があり、女性医師の働き続けやすい環境整備のあり方が課題となっている。また、男性医師や医師以外の医療従事者も含めた勤務環境改善等の支援も必要となっている。
このような状況を踏まえ、女性医療職等がキャリアと家庭を両立出来るような取組を構築する機関を選定し、普及推進可能な効果的支援策モデル構築を支援することで、当該医療機関における女性医療職等のキャリア支援の充実を図り、全国へ女性医療職等の支援策を普及させることを目的に、厚生労働省により制定された事業