2022年4月21日 【金沢工大】「金沢マラソン」のキーパーソンは50代のマラソン好き経営者

■ポイント□

〇会社経営に携わっている人などが要望述べる

〇金沢での滞在で5~7万円消費

 

金沢工業大学のAIデザインプロジェクトが昨年10月31日に開催された「金沢マラソン2021」に関するデータ分析が、IBM Watsonとテキストマイニングで行われた。IBM Watsonは従来、ITの分野で活用できていなかった画像や言語、音声などの非構造化データを活用し、人の意思決定を支援するAIシステム。「金沢マラソン2021」参加ランナー9845名から収集されたアンケートのフリーアンサーを解析した結果、次のことがわかった。「金沢マラソン」で要望を述べている参加者は、①会社経営に携わる人、②金沢への交通アクセスが良い地域に住んでいる人、さらに③年齢は50代となった。また、④会社を経営する際に必要となる体力面をマラソンを通じて補っている人とともに、金沢での滞在時間内に5万円から7万円程度消費する人であることも明らかとなった。

1)2021年度大会を含む過去のフリーアンサーを解析した結果、金沢マラソンの満足度の要因としては、運営やボランティア、沿道応援、スタッフや対応など〝人〟に関する部分が満足度の要因を占めており、金沢マラソンの満足度を高めるコアコンピタンスであることがわかった。

2)その上で、2021年度大会の満足度要因を分析した結果、ウエーブスタート(時間差スタート)を含む感染症対策や、沿道からの応援、スタッフ・ボランティア等の人的なサポートが高い満足度に繋がり、質の高い大会を運営できたことがデータからも見て取れた。

一方で、満足度に対して、どちらでもない、やや不満、不満と感じるランナーも徐々にではあるものの増えてきているため、金沢マラソンの強みである人的なサポートのさらなる魅力向上や、新たな魅力や特色の創出が、満足度の高い金沢マラソンを持続的に運営していく鍵となると考えられる。

3)「金沢マラソン2021」に対する要望をフリーアンサーで述べている参加者の文脈の特徴量を抽出した結果、要望を上げている方のフリーアンサーの中心に「ボランティア」というキーワードが位置づけられているという特徴がわかった。

また、要望を述べている方の中では〝70歳以上〟と〝50代〟の相関が高く、タイム的には〝5時間台〟〝3時間未満〟〝3時間~3時間30分未満〟の相関が高いこと、また職業としては〝その他〟〝会社役員〟との相関が高いことがわかった。

さらに要望を述べている人の中では、大会に対する満足度は〝どちらでもない〟〝大変満足した〟の相関が高く、使用した経費については〝5万円~7万円未満〟の相関が高いという結果となった。

「金沢マラソン」で要望を述べている参加者は、①会社経営に携わる人、②金沢への交通アクセスが良い地域に住んでいる人、さらに③年齢は50代となった。また、④会社を経営する際に必要となる体力面をマラソンを通じて補っている人とともに、金沢での滞在時間内に5万円から7万円程度消費する人であることも明らかとなった。

さらに、こうした人物像をキーパーソンとして、金沢マラソンの社会的価値を高める新しい施策を検討することを金沢市に提案した。


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