□ポイント■
○Slack上で、システムやソフトウエアなどに関する質問にAIが24時間自動応答
○学生・教職員へのサポートの質を向上させ、スタッフの負担を軽減して業務効率化を図る
○利用者のフィードバックをもとに、うまく回答できなかった質問は、スタッフがAIに学習させることで、回答の精度を高めることが可能
近畿大学と㈱ギブリー(本社:東京都渋谷区)が連携し、ギブリーが提供するAIチャットボット「PEP(ペップ)」を、近畿大学の全学生(大学院・短期大学部含む)と教職員、計3万6000人を対象に、学内で運用するSlack環境に導入する。3月22日に運用を開始し、授業等で使用するシステム等に関する学生・教職員からの問い合わせに自動で応答する。
近畿大では、授業でソフトウエアを使う機会や種類が年々増えるにつれて、複数の学生から、ソフトウエアの利用方法など同じ内容の質問が繰り返し寄せられ、個別対応することで窓口スタッフの業務負担が増えることが問題となっていた。
そこで、ギブリーが提供するAIチャットボット「PEP」を利用し、全学生・教職員に導入しているコミュニケーションツールSlackに「KUDOS Bot」を設置。AIがよくある質問に24時間自動応答する仕組みを構築した。この取組によって、学生・教職員の利便性向上と窓口スタッフの業務負担軽減を目指す。
「KUDOS Bot」は、ギブリーが提供するAIチャットボット「PEP」を利用し、学生・教職員から寄せられる「よくある質問」に対応するサービス。Slack上でKUDOS Botを選択して質問を入力すると、関連するキーワードが表示され、当てはまるものをクリックすると回答が表示される。学習機能を備えているため、利用者からのフィードバックをもとに回答内容の精度を高めることができ、使用するほど幅広い問い合わせに質の高い対応をすることが可能になる。
近畿大学では、令和2年(2020年)から、全学的なコミュニケーション活性化とオンライン授業のさらなる円滑化のため、国内大学として初めて全学生・教職員約3万6000人に「Slack」を導入しているが、SlackとAIチャットボット「PEP」を組み合わせることによって、学生・教職員の利便性をより一層高める。
近畿大とギブリーは今後、学生たちが自由なコミュニケーションを楽しめる、人間の姿をしたAIキャラクターパッケージの導入を検討している。これは、ギブリーとrinna㈱(本社:東京都渋谷区)、デジタルヒューマン㈱(本社:兵庫県芦屋市)の3社が共同開発中のプラットフォームソリューション。
これまでギブリーが提供してきた業務応対を自動化する機能に加え、顔と表情、音声、視覚、聴覚と自由に会話する雑談能力を備えたAIキャラクターの開発を実現する。
近畿大とギブリーは、こうした新たな取り組みも視野に入れ、全学生・教職員の研究・教育活動をサポートするためのデジタル化促進を共同で進める方針だ。