■ポイント□
〇農学部生が「なら近大農法」(ICT農法)で栽培した「近大ICTメロン」を使用
〇近鉄リテーリングが手掛ける地域商品ブランド「irodori kintetsu」との共同開発
〇「実学教育」を理念に掲げる大学として、農学部生が農業の6次産業化を〝実学〟で学ぶ
近畿大学農学部(奈良市)は、㈱近鉄リテーリング(大阪市天王寺区)と共同で、農学部生が「なら近大農法」(ICT農法)で栽培した『近大ICTメロン』を使用したメロンパンを開発した。1月2日から、人気のパン製造・販売店であるクックハウスで期間・数量限定で販売している。この取組は近畿大学が令和2年(2020年)から全学を挙げて展開している「〝オール近大〟新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施したもの。
近畿大農学部は、少子高齢化に伴う農業従事者の減少や休耕地・耕作放棄地の増加などの社会問題を解決するため、奈良県と連携して〝農の入口〟モデル事業を展開し、「なら近大農法」(ICT農法)を利用した栽培管理方法の確立を目指している。
一般的に、農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、所得確保の不安定さが問題とされています。農作物の栽培に必要な温度調整などの管理にICT(情報通信技術)を導入することで、農業初心者でも容易に栽培管理することが可能となる。
「なら近大農法」では、〝農の入口〟から〝農の出口〟までの一連の過程にICTやIoTを導入することで、安全かつ安心な農作物を消費者に提供することを目指している。
平成29年度(2017年度)から、農学部農業生産科学科(アグリ技術革新研究所兼務)教授 野々村照雄が中心となり、農学部生とともに「なら近大農法」を用いて『近大ICTメロン』を栽培している。
パンからもクリームからも広がるメロンの香り
今回販売する『近大ICTメロンパン』は、近畿大学農学部と㈱近鉄リテーリングが地域商品ブランド「irodori kintetsu」の商品として共同開発したもの。近大ICTメロンのピューレを生地に練りこんださっくり食感のパンで、メロンの香りが際立つメロンホイップクリームをふんわりと挟んでおり、パンからもクリームからもメロンの甘い香りが広がる。
また、販売用の包装フィルムには、近畿大工学部情報学科教育情報システム研究室(担当教員:加島智子准教授)の学生がデザインしたロゴマークが使用されている。