2022年3月29日 【近畿大】新型コロナウイルス感染症による肺炎症状を自動診断 人工知能の活用で、画像診断を行う放射線医をサポート

□ポイント■

〇ヒトに優しい人工知能kindAIの技術を利用し、CTに映った陰影が新型コロナウイルス感染症に起因するか否かを自動診断

〇人工知能の活用で、画像診断を行う放射線医をサポートするシステム

〇〝オール近大〟新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクトによる成果

 

 

近畿大学生物理工学部生命情報工学科の永岡 隆講師らの研究グループは、近大の英知を結集した人工知能システム、「ヒトに優しい人工知能kindAI(キンダイ)」の技術を利用し、新型コロナウイルス感染症による肺炎症状を自動診断するシステムを開発した。

この件に関する論文が、3月18日に日本生体医工学会が発行する生体医工学領域の国際総合学術雑誌「Advanced Biomedical Engineering」にオンライン掲載された。

このシステム開発は、近畿大が全学を挙げて取り組んでいる「〝オール近大〟新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施しているもの。

研究グループはこれまでに、公益社団法人日本青年会議所主催「第1回超生産性向上大賞」で内閣総理大臣賞・文部科学大臣賞をダブル受賞した、「ヒトに優しい人工知能kindAI」を開発した。

これは、近畿大の総合大学としてのメリットを生かし、生物理工学部や理工学部、医学部のほか、近大病院の医療従事者などの知見を投入したもので、食生活や睡眠など日常生活のデータをビッグデータ化することで、これに基づく適切な医療を人工知能が提案することを目指している。

この開発ノウハウを生かし、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に起因する肺炎を診断できる人工知能、通称「kindAI COVID」を開発した。

今回開発したシステムは、AIが肺の情報だけでCOVID-19に起因する肺炎か否かを鑑別するもので、80%を超える高い正診率を示す人工知能の開発に成功し、現在は臨床環境での評価を進めている。

CTに映った陰影を判定する際に放射線医をサポートするもので、今後は臨床現場での有効活用を目指している。


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