■ポイント□
〇東日本大震災の被災地復興に寄与する商品を一般販売開始
〇気仙沼産サメ革を使用しており、気仙沼市のふるさと納税返礼品に選出
〇学生は商品開発、展示販売、クラウドファンディング、一般販売、ふるさと納税返礼品選出までの一連のサイクルを実学で学ぶ
近畿大学短期大学部商経科頭師暢秀(ずし のぶひで)教授ゼミと、東日本大震災の被災地復興に寄与する事業を展開するサメ革専門のレザーブランド「アトリエシャーク」(神戸市)が共同開発した機能性ミニバッグ『サメ革バディバッグPeg』が、7月14日から一般販売されている。
また、宮城県気仙沼産ヨシキリザメのレザーを原料としていることから、宮城県気仙沼市のふるさと納税返礼品にも認定された。
学生は、フィールドワークとマーケティング手法を駆使して、商品コンセプトの策定から材料の選定・仕様・商品名の提案まで行った。
令和3年(2021年)12月にニューヨークで展示販売会を行った後、令和4年(2022年)1月から4月までクラウドファンディング「Makuake」で国内先行販売を実施した。目標達成率2718%(応援購入総額407万8018円/サポーター222人)を記録し、好評であったことから、一般販売をすることとなった。
商品の外装には汚れに強い生地と気仙沼産のヨシキリザメを原料とするレザーが使われており、軽量かつ防滴性と耐久性に優れている。日常、非日常を問わず、常時携帯するものをコンパクトに収納でき、さらに災害などの緊急時やアウトドアシーンで役立つよう、ファスナーの引き手部分に緊急ホイッスルを、ショルダーストラップには強度の高いロープ状のツール〝パラコード〟を採用した。
商品に使用されているヨシキリザメの革は、気仙沼産で世界最高品質として注目を集める素材だが、加工等の難しさや取扱業者の少なさを理由に多くが魚類残滓として廃棄されている。
加工の問題を解決して商品化することで、東日本大震災の被災地である気仙沼市の地元産業振興に繋がると考えた。この取組が評価され、今回、同商品が宮城県気仙沼市のふるさと納税返礼品にも選出された。
廃棄される素材を活用することで、SDGsの目標「12.つくる責任 つかう責任」「14.海の豊かさを守ろう」の達成にも貢献する。同商品を通して、良質なモノを大切に使う、ミニマルでエシカルな生活スタイルを提案する。