近畿大学農学部(奈良市)は、奈良県吉野郡下市町との間で、2月24日に包括連携協定を締結した。スマート農法による柿栽培や地域資源を活用した商品開発、魅力的な村づくりに取り組むもの。近畿大の建学の精神である〝実学教育〟を実践し、地方創生を志す学生に実践的な学びの場を提供する。
近畿大農学部は下市町と近畿大学農学部は、平成28年(2016年)9月に締結された「奈良県と近畿大と包括的連携協定に基づき、令和元年(2019年)から令和2年(2020年)にかけて、農研機構受託事業「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」を実施。五條吉野土地改良区及び旭ヶ丘農業生産販売協同組合との共同研究「先端技術導入による中山間地域の特産品生産スマート化への展望」や、情報通信技術(ICT、IOT)を活用した柿などの果樹栽培のスマート化の試みなどにおいて、これまでにも協力関係を築いてきた。
締結した包括連携協定により、下市町の基幹産業である柿などの果樹類をはじめとする農業情報通信技術導入の推進をはじめ、農業を活性化させ町の経済を豊かにする6次産業化や、地域全体の活性化を実現する10次産業化への転換による、持続的かつ効率的な農業経営の確立を目指す。
また、廃校などの遊休施設や耕作放棄地の利活用法の創出や、地域コミュニティの活性化による町の賑わい創出など、さまざまな分野で近畿大農学部の知識や技術、学生の発想力を生かした取り組みを行い、地方創生を志す学生に実践的な学びの場を提供する。
【主な連携事業内容】
⑴スマート農業、農業分野の6次産業化、農地の集積・集約化など、持続可能で効率的な農業経営の推進
⑵遊休施設(廃校等)を活用した地産地消拠点や、障がい者等の農業分野での活躍の場としてのユニバーサル農園、農福連携拠点の創出
⑶地域集落でのイベントの開催による都市農村交流による関係人口の創出や、新規就農者・担い手の確保のための試みの実施