■ポイント□
〇不織布マスクとプラスチック製マウスシールドを重ねて着けることで、感染予防効果を高める
〇新型コロナウイルス感染症対策で開発・製品化した「近大マスク」の改良品
〇試作品を奈良県理容生活衛生同業組合に寄贈し、使用感を調査
近畿大学理工学部(大阪府東大阪市)機械工学科教授 西籔 和明らは、不織布マスクの上に取り付けるプラスチック製の飛沫防止マウスシールド「近大W(ダブル)マスク」の開発に取り組んでいる。試作品300個を奈良県理容生活衛生同業組合(奈良市)に寄贈することで、奈良県内の理容師に試用してもらい、使用感の調査を行う。6月7日に奈良理容美容専門学校で贈呈式を実施する。
「近大マスク」とは、プラスチック製の透明なマウスシールドで、「〝オール近大〟新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として開発され、多くの人々に使用してもらっている。現在開発中の「近大Wマスク」はこの改良版で、感染予防効果が高いとされる不織布マスクに重ねて着けることができるプラスチック製マウスシールド。
不織布マスクは通気性があるため、飛沫の飛散を完全に防ぐことはできない。また近大マスクも顔との間に隙間ができるため、飛沫を完全に遮断するとはいえなかった。
そこで、二つを重ねて着けることで、感染予防効果をさらに高めることをねらいにマスクを開発。また、近大マスクは眼鏡と一緒に着けづらいという利用者の声を受けて、不織布マスクにクリップで直接取り付ける仕様にしており、運動の際にもマスクがずれにくくなっている。
奈良県理容生活衛生同業組合に300個を寄贈し、理容師に実際に業務中に試用してもらうことで、使用感を調査し、今後の製品化に生かす。