■ポイント□
〇近畿大が開発したハイブリッド種「ブリヒラ」をくら寿司の全国店舗で販売
〇全国チェーンの回転寿司店で唯一、ブリヒラを販売
〇人工種苗による養殖魚の提供で持続可能な養殖業の拡大に寄与
近畿大学が開発したブリとヒラマサのハイブリッド種である「ブリヒラ」を、回転寿司チェーン「くら寿司」を運営するくら寿司㈱(所在地:大阪府堺市)が、1月6日から期間限定で全国の店舗で販売されている。全国チェーンの回転寿司店では唯一の取り組み。
「ブリヒラ」は、近畿大水産研究所が異なる魚の性質を受け継ぐ交雑魚の研究を行うなかで開発されたブリ(雌)とヒラマサ(雄)の交配による近畿大独自の魚種。冬が旬のブリは、脂のりのよさと強い旨味が特徴だが、身が柔らかく、夏場は血合いが変色しやすくなる。
一方、ヒラマサはコリコリとした食感が楽しめ、変色しにくい特徴があるものの、脂身が少なく淡白な味わいで、食べられる時期も夏に限定される。
ブリヒラは、この二つの魚種から〝いいとこどり〟をして、ブリの〝うまみ〟にヒラマサの〝歯ごたえと美しさ〟を兼ね備えた大変おいしい魚で、完全養殖のため一年中提供が可能。
回転寿司チェーン「くら寿司」では、令和3年11月に大手回転寿司チェーンとしては初めてブリヒラを販売した。今回、数量と取り扱い期間を拡大し、全国の消費者に届ける。
持続可能な養殖業推進の一環で
ここ数年のSDGsへの関心の高まりに伴って、天然の海洋資源への過度な影響を抑え、生産者の方々にとっても価格変動のリスクが少ないブリヒラの持続可能性に注目が集まっている。
この取組は、資源枯渇が顕著になっている水産物に対し、人と資源がつながった持続可能な養殖業推進の一環として行っており、人の手で必要な量の魚を生み出すこと、さらに形質の良い魚を生み出し、消費者の満足度を高めることを目標にしている。