着物生地の特性を活かしたフェイスケア製品を企画・販売する「いと半」(京都府京都市)と近畿大学経営学部(大阪府東大阪市)商学科の滝本優枝准教授ゼミ学生は、着物を作るうえで、もはや着物生地としては使えないとされている「シルクの生成り生地」を使用して、目の疲れをケアするアイピロー『シル近ピロー(しるきんぴろー)』を共同開発した。
この商品の完成発表展示会、販売会を12月1日から13日に京都・嵐山のアートギャラリー「シグナス」で開催する。
《シル近ピローのこだわり~すべては「癒し」のために~》
<素材へのこだわり>
表地には、いと半が得意とするシルク製着物生地である「生成(きな)り生地」を使用。「生成り生地」は、丹後ちりめんの白生地が日に焼けたもので、着物生地としては使えないとされているが、〝使うもの〟として活かすべく、100%シルクであることの肌への〝優しさ〟という特性をアイピローに取り入れた。経年変化による穏やかな風合いによる柔らかさ・軽さ・暖かさから〝癒し〟を感じてもらうことを軸に、西陣織産地での染色や、友禅紙、組紐など京都の着物文化の結集となる素材を組み合わせ、〝伝統を守り抜く大切さ〟を伝える。
<香りへのこだわり>
アイピローの中身に使用する材料は、17種以上の自然素材やハーブの中から、近畿大薬学部の実験をもとに、香りで〝癒し〟効果のある素材を選定し、桧・小豆・ローズを組み合わせた。
<色へのこだわり>
〝癒し〟を表現するために、色を重要視した。日本の伝統色から、色が持つ意味を考慮した5色を採用。それぞれの色に「私達からのメッセージ」を込めている。