2021年9月10日 【近畿大】「表情の見えるマスク」をミスジャパンに寄贈

 

近畿大学は、理工学部機械工学科の西籔和明教授らが開発した全面が透明なプラスチック製の飛沫防止マウスシールド「近大マスク」80個を、2021ミス・ジャパンを運営する㈱HDRに寄贈する。寄贈した近大マスクは、2021ミス・ジャパンのファイナリストによってトレーニングの際などに使用される。

このマスク開発・寄贈は、近畿大が全学を挙げて取り組んでいる「〝オール近大〟新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施する。

近畿大は、医学から芸術までの研究分野を網羅する総合大学と附属学校等の力を結集し、「〝オール近大〟新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」に取り組んでおり、『近大マスク』はプロジェクトの一環として西籔教授らが開発したもの。

『近大マスク』は、飛沫対策ができ、表情が見える。同80個が、近畿大から㈱HDRに寄贈されることとなっているが、実際には、ファイナリストの決定前に行われる2021ミス・ジャパンビューティー・キャンプで使用される予定。

ビューティー・キャンプでは、さまざまな分野のエキスパートを講師に招き、日本大会に向けて〝美〟に磨きをかけるための厳しいトレーニングを集中的に行う。笑顔や表情が見える『近大マスク』を使用することで、トレーニングを安全かつ円滑に行うことが期待される。

複数学部・クラブが連携して開発

『近大マスク』はプラスチック製の飛沫防止マウスシールドで、新型コロナウイルス対策として社会に役立つ製品を創出するべく、東大阪市のものづくり企業の協力を得て製作された。製作にあたっては、東大阪市内の企業が、東大阪市からの助成を受けて大阪東部地域の金型産業発展のために技術研究を行っている「金型プロジェクト」で得られた高度な技術が用いられている。

マスクの透明カップ部分は薄く複雑な3次元曲面になっており、プラスチック製品の設計、高度なプラスチック射出成形および金型技術が活用されている。耳部のツルは透明カップから取り外し可能で、ツル装着位置は2段階に調整できるようになっている。さらに、同大文芸学部文化デザイン学科の柳橋 肇准教授が、透明で軟らかく顔に沿ったユニークなデザインに仕上げ、息苦しさがなく掛け心地のよい製品となっている。

開発過程では、医学部の感染症対策の専門家の意見を反映しながら、理工学部の教員が開発した超高速ビデオカメラを用いたマスク内の気流の可視化実験を実施。マスク着用時の飛沫防止効果が高いことを明らかにした。さらに、陸上競技部の装着テストによる意見を反映し、使用感を向上さるなど、近畿大の複数の学部やクラブが連携し、製品化が実現した。

これまでに、マスクの着用で唇の動きや表情が読めず、意思の疎通が困難になっている聴覚障がいがある子どもたちのために大阪府下の支援学校、また、大阪難波エリアの飲食店や東大阪長瀬駅前商店街など、合計7000個以上を寄贈している。


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