萩生田光一文部科学大臣は、留学希望の学生で、留学先の高等教育機関からワクチン接種を求められている場合、確実に接種を受けられる仕組みを構築するとともに、ワクチン接種証明を大臣名で発出する方向で準備を進めていることを明らかにした。6月8日の閣議後会見で説明した。
現在、一部の海外大学で、対面授業を受けるためはワクチン接種が義務化されており、海外留学を予定している学生が渡航できない状況にあるという。
萩生田大臣は、留学希望者への大学施設でのワクチン接種について、自治体等の高齢者の接種を第一とする方針をあらためて示したうえで、「はじめに、学位を取得するために海外大学への留学を予定している学生から始めて、段階的に対象を拡げる」との見込みを明らかにした。
具体的には、海外留学を予定している学生から文部科学省に申請してもらい、教職員・学生等へのワクチン接種に取り組む大学の協力を得て、留学希望学生が接種を受けられるようにするという。
また、ワクチン接種完了後には、海外の大学へ示すべく、ワクチン接種済であることを証明する英語の文章を、文部科学大臣名で特別に発行する予定。
昨年11月から学位取得を目指す海外留学が再開されているが、文科省では、ワクチン接種をはじめ、国内外での感染症への対応を見極めながら、可能な限り早期に大学間交流協定等に基づく、海外留学についても、段階的に再開できるよう検討を進めている。
留学「省あげてサポート」
萩生田大臣は会見で、「社会の発展を牽引し、グローバルに活躍する人材の育成のためには、日本人学生の海外留学を後押しすることが大変重要。文部科学省として支援に努めてまいりたい」と、学生の留学を省を挙げてバックアップする考えを表明した。