政府の科学技術イノベーション政策の指針である「統合イノベーション戦略2021」が6月18日に閣議決定された。萩生田光一文部科学大臣は6月18日の閣議後会見で、戦略決定を踏まえて、関連施策の着実な推進に全力を挙げて取り組む意向を表明した。また、リーマンショック後の研究開発投資が停滞したという経験を受けて、「今回のコロナ禍で同じ轍を踏まないよう関係予算を確保し、(戦略に盛り込まれた政策の)実行に移していきたい」と意気込みを示した。
統合イノベ戦略では、10兆円規模の大学ファンドを活用した世界と伍する研究大学の実現や、博士課程学生を含む若手研究者への支援、地域の中核となる大学振興に向けたパッケージの策定など、研究力の強化、戦略的に重要な技術領域での優越性の確保等、持続可能で強靭な社会への変革などが盛り込まれている。
「リーマンショックと同じ轍踏まない」
萩生田大臣は会見で、「文科省としても、これらの取組は重要と考えており、関連施策を着実に推進していきたい」と述べた。また、リーマンショック後に研究開発投資が停滞したという過去の経験を踏まえて、「こういうときこそ、人への投資、研究への投資を怠ってはならない。コロナ禍でその轍を踏まないように、関係府省と連携しながら、関係予算を確保し、実行に移していきたい」と意気込んだ。