2021年11月24日 【芝浦工大】脱炭素化施策を考える探究授業をデザイン 中学・高校生が自治体の地球温暖化対策をシミュレーション

 

芝浦工業大学(東京都港区)建築学部建築学科栗島英明教授と工学部土木工学科谷田川ルミ教授は、山形県米沢市の九里学園高校で、カーボンニュートラルシミュレーター(CNS)を使用した地域脱炭素に向けた探究授業を実施した。

CNSは、基礎自治体別に2050年の脱炭素化を実現するためのさまざまな対策についてシミュレーションするシステム。今年度中に、基礎自治体が地域脱炭素戦略策定にCNSを活用する導入マニュアルを作成するとともに、学校教育での活用を目指した教育プログラム(指導案・教材・評価方法)とマニュアルを作成し公開する予定。

九里学園高校で試行した授業には、プログレスコース1~3年生46人が参加し、気候変動が山形県の置賜地域に与える影響について調べ、学習を進めた。2050年に脱炭素を実現するための政策・技術・システムについて学んだうえで、一人1台のタブレットにインストールしたCNSを使用したバックキャスティングでの置賜地域の脱炭素に向けた検討を行った。バックキャスティングは、未来のある時点に目標を設定し、そこから振り返って現在すべきことを考える方法。

CNSを通じて学んだ成果の一部は、11月6日に開催された「サイエンスアゴラ」で発表された。

授業で使用したCNSは、千葉大を中心に芝浦工大と東大が基礎自治体での脱炭素政策を検討するために共同で開発したツール。自治体別に2050年の人口、世帯数、就業者人口などの予測をもとに、2050年に稼働する住宅、非住宅、自動車台数などを算出し、省エネ投資をどの規模で行うのかを検討することができる。

芝浦工大では、九里学園高校をはじめとして、鹿児島県立種子島高校や鹿児島県西之表市立種子島中学校、千葉県白井市立白井中学校などでの試行を通じて、CNSを活用した中学・高校の「総合的な時間/探究の時間」用の教育プログラムの開発を進めている。

今後、試行の成果をまとめ、CNSを活用した教育プログラム(指導案・教材・評価方法など)とマニュアルを公表する予定。


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